首位・阪神に圧倒されたような、ただただ拍手を送りたくなるような攻撃でした。
序盤から得点を重ねられ、4回終了時点で1対8。この時点で、長打3本含む8安打を放った阪神。一方、ドラゴンズは長打2本含む5安打。
長打、安打数ともに負けてはいますが、大きく差が開いているわけではありません。数字的には一方的な試合とは思えませんが、点差は7点。
この差は一体何なのでしょうか。そして、この差の正体が分かれば、ドラゴンズも上位進出を目指すことができるのでしょうか。
四球の差
投手の好不調の差もあると思いますが、それだけでは説明がつかないような攻撃をみせた阪神打線。
その差は、四球と犠打・犠飛ではないでしょうか。
初回、3回、4回と阪神が得点を奪ったイニングは全て四球絡み。特に4番・大山悠輔選手は3四球を選び、後続に繋げました。
大山選手は、試合前時点でリーグトップの84四球を選んでいます。四球が全てとは言いませんが、一振りで試合を決めるだけでなく、大山選手の良さが大量得点に繋がったと考えられます。
打率はほぼ同じなのに・・
チーム全体でみても、阪神はリーグトップの433四球を勝ち取っていますが、ドラゴンズはリーグワーストの261四球。
阪神のチーム打率は2割4分7厘、ドラゴンズは2割4分1厘。得点数は阪神472得点、ドラゴンズ336得点。
打率はほぼ同じですが、得点数は100点以上差があります。様々な要因があると思いますが、四球の差が大きく影響していることが考えられます。(成績は全て試合前時点)
犠打・犠飛の差
4回までに得点したイニングで、両チームが記録していたのが犠打・犠飛です。
阪神は犠飛2つ、犠打1つ。ドラゴンズは犠飛1つ。安打だけでなく、犠打でチャンスを拡大し、犠飛で得点する無駄のない攻撃を見せつけられました。
阪神のチーム犠打数はリーグ2位の91。犠飛数はリーグトップの40。
ドラゴンズのチーム犠打数はリーグ5位の77。犠飛数はリーグワーストの19。
ここでも首位・阪神と最下位・ドラゴンズの大きな差が生まれています。ドラゴンズにミスが生まれたこともありますが、四球を生かし、犠打・犠飛で無駄なく攻撃する。阪神の強さが凝縮されているような気がしました。
岡田監督の采配
岡田監督の采配も見事でした。中野拓夢選手の場面です。
0対0の初回、無死一塁の場面。先制点が欲しい場面ですが犠打を使わず、2ボール2ストライクからエンドランを敢行して先制点を奪い取りました。
5対1とリードした4回、場面は同じく無死一塁。すでに2安打を放っていた中野選手。強攻策で得点差を広げると思いましたが、犠打を選択しました。
その後、得点に結びつき、試合を決めた阪神。名将・岡田監督の采配が光った場面でした。
大きな差を見せつけられたドラゴンズ。来季に向けて、得るものが多い試合だったのではないでしょうか。
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