中日獲得の可能性も?加治屋蓮投手の今後
昨季は51試合に登板してリーグ優勝に貢献したものの、今季は13試合の登板に終わっていました。
32歳とベテランの域に突入しつつある加治屋投手ですが、中日が獲得に動く可能性があります。
今オフ課題の先発陣
中日が今オフ整備すべき課題は先発陣。高橋宏斗投手が12勝、防御率1.38と好成績を収めていますが、チーム全体では不安材料が山積しています。
涌井秀章投手、松葉貴大投手といったベテラン頼みの状況に加え、小笠原慎之介投手がメジャー挑戦の可能性があり、戦力ダウンの予兆が出ています。
松木平優太投手、根尾昂投手、梅津晃大投手といった楽しみな投手がいるとはいえ、長いシーズンを考えると不安は消えません。
今季、リリーフとして活躍した橋本侑樹投手、勝野昌慶投手に加え、場合によっては勝ちパターンの清水達也投手の先発転向も視野に入れなければいけない苦しい状況。
改革を進めるには、有力な先発を獲得するか、先発転向した投手の穴を埋めるリリーフの獲得が必要です。
藤嶋健人投手の負担も軽減か
加治屋投手は通算222試合登板と経験豊富で、中日のリリーフ陣に割って入るだけの力があります。
今季、12イニングで8個の四死球を与えたように、制球面は不安材料ですが、試合中盤の勝敗を左右する場面で投入することができます。
仮にドラフトで即戦力投手を獲得できたとしても、草加勝投手が早々にトミー・ジョン手術を受けた例を考えると、過度に期待することは禁物です。
加治屋投手は今季、2軍では29試合に登板して防御率0.68と成績を残しており、勝敗問わず登板機会がやって来る藤嶋健人投手の負担軽減も期待できます。
加治屋投手の獲得で、リリーフの先発転向を後押しし、改革を進めることができます。
山本泰寛選手、板山祐太郎選手に続くか
昨オフ、中日は阪神から山本泰寛選手、板山祐太郎選手を獲得し、それぞれチームに貢献しました。
加治屋投手はポジションが違いますが、選手層の厚い阪神から中日に移籍することで再び輝く可能性はあります。
ドラフト、新外国人、トレード等で先発の獲得は必須ですが、加治屋投手の獲得で先発陣の改革に着手することができます。
今オフも、竜が虎から貴重な戦力を得るかもしれません。
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【プロ野球】巨人・石田隼都投手、代木大和投手が自由契約 トミー・ジョン多発時代にダイヤの原石を輝かせる方法とは
巨人の石田隼都投手、代木大和投手が自由契約となったと報道がありました。
両投手ともトミー・ジョン手術を受けており、育成契約の可能性は残されています。しかし、かつて甲子園を沸かせた選手の現状は、ダイヤの原石を磨く難しさを表しています。
ドラフト成功例として期待も・・・
2021年のドラフト会議。巨人は先日胴上げ投手になった大勢投手を1位指名し、下位に甲子園を沸かせた選手達を指名しました。
4位で石田投手(東海大相模)、6位で代木投手(明徳義塾)、7位で花田侑樹投手(広島新庄)と、名門校のエースを3名も獲得。
石田投手は春の甲子園で優勝を果たし、代木投手と花田投手は打撃も魅力な選手。
全員とはいかなくても、1人でも活躍すればドラフトの成功例として語り継がれると信じて疑いませんでした。
しかし、現実は甘くありませんでした。
トミー・ジョン手術多発時代
プロ3年目のシーズンを終え、1軍の舞台を経験しているのは代木投手のみ。昨季、プロ初登板を含む13試合に登板し、今季の飛躍が最も期待されていました。
それが石田投手と同シーズンにトミー・ジョン手術を受け、花田投手にいたっては育成契約。
今季、中日の草加勝投手、阪神の下村海翔投手、ヤクルトの西舘昂汰投手がトミー・ジョン手術を受け、大卒ドラフト1位右腕が苦しみました。
トミー・ジョン手術多発時代とも呼べるプロ野球。
将来性は豊かですが、故障による長期離脱、育成再契約のリスクも頭に入れて、ドラフト戦略を練る必要がより強くなっています。
現時点の有効策
現時点で、有効な解決策は見当たりません。
草加投手にいたっては、キャンプでブルペン入りすることなく故障しており、首脳陣の責任ではありません。
中日・高橋宏斗投手のように、プロ2年目のシーズンから思い描いた階段を歩む選手もいますが、輝かしい才能を咲かせることなく球界を去る選手もいます。
トミー・ジョン手術を経てパワーアップして戻ってこれば、まだ光は差します。しかし、1軍経験のほとんどない選手に、どこまで期待していいかは分かりません。
大きいダイヤほど磨くまでに時間がかかる。そう信じて待つしかないようです。
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中日・松木平優太投手、支配下登録で先発陣を救う
ここまでウエスタン・リーグトップの9勝を挙げ、防御率は1.84。育成4年目の右腕は、圧倒的な成績を残して支配下契約を勝ち取りました。
これで、中日の支配下登録選手は上限の70人に達しました。トレードの可能性を今月末まで残しているとはいえ、最後のピースとなった松木平投手。
球団の意図は、雲行きが怪しくなっていた先発投手陣を強化し、大型連戦に備える準備を進めたかったからだと考えられます。
トラブル相次ぐ先発陣
松木平投手は先発型右腕。今季2軍で14試合に登板していますが、その全てが先発です。1軍でも先発起用が見込まれます。
現状、中日の先発陣は万全の状態とはいえません。開幕投手の柳裕也投手、メヒア投手が2軍調整中で、梅津晃大投手も登板間隔を空ける必要があります。
大野雄大投手も2軍で調整し、涌井秀章投手は3日の巨人戦(前橋)で緊急降板。熱中症気味だったと明らかになりましたが、状態が心配されます。
2022年ドラフト1位の仲地礼亜投手も5月下旬に足を痛めた影響で2軍調整中と、予期せぬトラブルが相次いでいる先発陣。
9日から始まる8連戦を前に、先発陣を強化したいという意図が伝わってきます。
チーム事情がマッチ
ロドリゲス選手、尾田剛樹選手、板山祐太郎選手、岩嵜翔投手に続く、今季5人目の支配下登録となった松木平投手。
2軍での活躍を考えれば、遅いくらいの支配下昇格。開幕前は先発陣に余裕があり、開幕後は実績ある選手を支配下登録した中日。
自身の成績とチーム事情がマッチしませんでしたが、今は松木平投手のような先発投手を求める状況に変化。
支配下登録選手の上限に達しましたが、最適な時期に最高の選手を補強することに成功しました。
来季以降も見据えた支配下登録
松木平投手が加わったことで厚みが増した先発陣。ここに柳投手、メヒア投手が復調すれば、Aクラスを十分狙える布陣となります。
まだ21歳と若く、立浪和義監督も厳しく成績を求めるとは思いません。輝かしい将来に向けた、準備の意味合いもあるシーズンとなりそうです。
怖いのは故障だけ。すでに97回2/3を投げており、セ・リーグの投手成績と比べると3位タイに並ぶイニング数です。
雲行きが怪しくなっていた先発陣を救う存在になるのか。今季だけでなく、来季以降も楽しみな右腕が支配下登録を勝ち取りました。
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橋本侑樹投手の続投志願がチームを動かす? 最悪の事態に備える必要も
◇6月29日 DeNA5-1中日(バンテリン)
橋本侑樹投手の続投を志願する姿を見て、まだこのチームの熱は冷めていないと確信しました。
7回表、先頭の桑原将志選手の打球が左手に当たり、マウンドを降りた橋本投手。
治療を経て1度はマウンドに戻ってきましたが、大塚晶文投手コーチが投球練習を見て、祖父江大輔投手への継投を選択しました。
橋本投手は続投の意思をみせ、大塚コーチが制止する形に。ケガの状態が心配されますが、負けた中で胸が熱くなるシーンでした。
まだ戦えると証明
橋本投手は今季、27試合目の登板。自己最多の28試合登板まで1試合と迫り、キャリアハイ更新は確実とみられていました。
防御率は1.44。貴重なリリーフ左腕として、チームに欠かせない存在でした。当然、これからも戦力として期待されていました。
チームが波に乗れない中、最も怖いのが故障。敗戦が重なる中で戦力が低下すれば、Aクラス入りが遠のきます。
1-5で迎えた7回。中日打線の状態を考えれば、限りなく勝利から遠ざかった試合。
その中でみせた橋本投手の続投志願。まだまだこのチームは戦えると証明しました。
美談で終わらせる危険性
一方、美談で終わらせると危険です。仮に橋本投手が離脱すれば、リリーフ陣を補充する必要があります。
現状、1軍のリリーフ左腕には齋藤綱記投手がおり、左腕が1人もいないという偏った状況にはなりません。
ただ、簡単に橋本投手の穴を埋めることはできません。ビハインド、延長戦、イニング跨ぎ。橋本投手の離脱はチームに大きなダメージを与えます。
2軍には、今季20試合に登板して防御率3.38の成績を残している福敬登投手がいます。
育成の近藤廉投手も、25試合に登板して防御率1.11と好投しています。
橋本投手が離脱すれば、支配下枠を動かす可能性があるほどチームに影響を与えます。
チームを動かす1プレー
橋本投手の負傷が大きなケガに繋がっていなくても、わずかなズレで制球難が顔を出せば、チームは苦しくなります。
無事を祈りつつ、最悪の事態に備える必要があります。
現在、中日の支配下枠は69。残る席は1つです。
2軍でリーグトップの9勝を挙げている松木平優太投手も支配下登録に向けてアピールしています。
チームを動かす、そんな1プレーでした。
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龍空選手かロドリゲス選手か、それとも 内野を救うヒーローは誰に?
◇6月23日 中日2-1広島(バンテリン)
遊撃手・村松開人選手が故障で途中交代し、高橋周平選手がこの日もエラー。今月は出場8試合で6つ目のエラーと、波に乗れていません。
村松選手は登録抹消も考えられる状況で、来週に向けて内野手を補充する可能性があります。
遊撃を守れる龍空選手、ロドリゲス選手か、それとも・・・。
龍空選手かロドリゲス選手か
龍空選手はここまで、2軍で26試合に出場して打率.266。直近3試合では打率.286と、安打を重ねています。
ロドリゲス選手は2軍で42試合に出場。直近3試合では打率.111と苦しんでいますが、シーズン成績は打率.264と結果を残しています。今週は、全ての試合で遊撃のスタメンに選ばれました。
村松選手が離脱する場合、遊撃を守ることができる選手を昇格させる必要があります。
この日、村松選手の穴を埋めた山本泰寛選手もいますが、内野のバックアップが手薄になります。
昨季114試合に出場した龍空選手、今季遊撃の開幕スタメンを勝ち取ったロドリゲス選手のどちらかに声がかかる可能性は高いです。
最適な存在
石垣雅海選手が昇格する可能性もあります。
石垣選手は内野のスペシャリストで、捕手以外のポジションを守ることができます。
今季は2軍で53試合に出場し、打率.273、4本塁打とパンチ力ある打撃も魅力です。
石垣選手が昇格すれば、内野のバックアップを任せることができます。山本選手をスタメンで起用することもできます。
これまで山本選手が担ってきた役割を果たしつつ、パンチ力ある打撃でチームに貢献できる。
内野陣が苦しい時に救ってくれる、最適の存在といえます。
内野を救うヒーローは誰に
村松選手が無事で、高橋周選手も守備面で復調すれば言うことありません。
しかし、村松選手の痛がり方、治療時間を経ずに交代したことを考えると、ただ事ではないことが伝わってきます。
高橋周選手も守備の不調が続けば、福永裕基選手や2軍で奮闘する石川昂弥選手に出番を奪われる可能性があります。
守備に不安を抱える高橋周選手を守備固めで起用することは考えにくく、スタメンで起用されなければ2軍調整も視野に入ります。
龍空選手か、ロドリゲス選手か、それとも石垣選手か。内野を救うヒーローは、一体誰になるのでしょうか。
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松山晋也投手の投球が試合のターニングポイント
◇6月21日 中日1-0広島(バンテリン)
ヒーローはもちろん、高橋宏斗投手とカリステ選手。
広島の先発・床田寛樹投手から大量得点は望めない中、高橋宏投手が7回までスコアボードに「0」を並べ続けたことが勝因です。
カリステ選手の先制ソロ本塁打は、この試合唯一となる得点。好投手同士の投げ合いに風穴を開ける、貴重な一打でした。
また、この2人以上までとはいかなくても、勝利に欠かせないピースとなった選手がいます。
完封ペースで動いた立浪監督
8回に登板した松山晋也投手です。
1-0と緊迫した試合の中、先にベンチから動いたのは立浪和義監督。
7回裏2死走者なしの場面で、高橋宏投手に代打を送りました。
直前の守りで1死二・三塁とピンチを招いていたとはいえ、球数は83球。奪った三振は7、与えた四死球と長打は0と、完封も視野に入るペースでした。
その中で、立浪監督は勝ちパターンに託すことを選択。この試合のターニングポイントになりました。
ターニングポイントでみせた投球
松山投手は2死から秋山翔吾選手に安打を許したものの、矢野雅哉選手を10球目で空振り三振。カウント3-2までいき、ファールで粘られる苦しい場面でした。
もし、矢野選手の出塁を許せば、ともにマルチ安打を記録していた野間峻祥選手、小園海斗選手との対戦が待っていました。
試合終盤のピンチでクリーンナップと対戦すれば、試合をひっくり返されてもおかしくありません。
ましてや、相手は床田投手。追加点を奪える絵は描けていませんでした。
松山投手が投じた22球は、試合が動きかねない場面を抑えた価値ある投球。ヒーローインタビューに呼ばれても不思議ではないほどの貢献度でした。
チームも立浪監督も救う
リーグ戦再開の初戦を、中日らしい野球で勝利した立浪竜。
ヒーローは高橋宏投手、カリステ選手ですが、松山投手の投球も忘れてはいけません。
好投していた高橋宏投手を代え、勝ちパターンに託した立浪監督の期待にも見事に応えました。
結果次第では、采配ミスと言われても仕方がない場面。松山投手の好投が、チームも立浪監督も救いました。
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立浪監督の手腕問われる 石川昂選手とビシエド選手抹消の影響
試合前、ビシエド選手が抹消されました。6日のソフトバンク戦で今季初本塁打を放ちましたが、今カードの楽天戦は計4打数無安打。
ここまで15試合に出場して打率.209、1本塁打、2打点と本来の成績ではありませんでしたが、DH(指名打者)が使える6連戦を前に抹消。
5日には石川昂弥選手も抹消しており、15日以後でなければ登録できません。
立浪和義監督は、DHに誰を起用してくるのでしょうか。
カリステ選手の調子を考えると
最有力なのが、中田翔選手です。
6日からベンチスタートが続いていますが、オフにみせた目玉補強の一人です。ここまで、立浪監督も積極的に起用しています。
コンディションが万全であれば一塁での出場も考えられますが、DHが使える試合で無理して起用する可能性は低いです。
8・9日に一塁でスタメン出場したカリステ選手が、今カード6安打2打点と大暴れ。
スタメンから外す理由がなく、中田選手をDHで起用することが予想されます。
ディカーソン選手・宇佐見捕手の可能性
ディカーソン選手、宇佐見真吾捕手をDHに据える可能性もあります。
5月31日のオリックス戦では、ディカーソン選手をDHで起用し、大島洋平選手をスタメンに起用しました。
相手投手に合わせ、大島選手や上林誠知選手を起用する策が考えられます。
ただ、両者とも打率が2割ギリギリ。2番か、それとも下位打線か。打順の組み方がポイントになります。
宇佐見捕手は、1軍復帰後打率.462と好調。加藤匠馬捕手にスタメンマスクを任せ、宇佐見捕手の打力に期待する策が考えられます。
宇佐見捕手をDHで起用すれば、期待の2年目・山浅龍之介捕手の出番が増えることも予想されます。
勝ちながら育成する、理想の流れを生み出すことができます。
立浪監督の手腕問われる
この日、先発した松葉貴大投手を抹消し、2軍から野手を昇格させる策も考えられます。
大砲候補はいませんが、2軍で2試合連続マルチ安打と好調の高橋周平選手が復帰する可能性もあります。
DHが使える6連戦を前に、事情は分かりませんが石川昂選手、ビシエド選手が抹消された事態。
DHが使えたオリックス3連戦(5月31日~6月2日)では、ディカーソン選手、石川昂選手、中田選手とDHを固定しませんでした。
しかし、この間の得点は1・2・2と、打線が爆発したとは言えません。
立浪監督の手腕が問われます。
【参考サイト】